やわらかく。
今日は、旅猫姉・りわの好きなもの、たいせつなものをご紹介します。
「あらゆるジャンルの本」。それこそが、この飽きっぽい(ほんとにね!BY:舎長)私が、長く愛しつづけているもの。
幼い頃から、どんな時にも、私の傍らには、何かしらの「読み物」がありました。
絵本もその一つ。年を重ねる道のりで、色褪せるどころか、色味を深くしながら、共にきた数々の絵本たち。
そんな中から、今日は1冊、ご紹介します。
「ぶたばあちゃん マーガレット・ワイルド 作/ロン・ブルックス 絵」
タイトルに少し驚かれるかもしれませんが、とても静かに、しずかに「生きて逝くこと」を問う作品。
繊細な色彩と柔らかなタッチの絵が、余計な装飾を省いたシンプルな言葉たちを引き立たせています。
「死をおもうこと」。それをどこか、忌むべきものだと捉えるのも、私たちの自然な気持ち。
だけど、それは本来、とても大切な「生きること」の一部であると、私はかんがえています。
私の甥(手のかかったあの子よ!BY:舎長)が、まだちっちゃなちっちゃな男の子だった頃。
膝の中でこの本を読みきかせた時、彼は、何ともいえない微笑みを浮かべて聞いていました。
絵柄のやさしさによるもの?と思いましたが、読み終えたとき・・・。
「ぶたばあちゃん…」と、彼はそっと、絵本の中の「ばあちゃん」を撫でました。
それは、まだ「死」を理解していないだろう子供の、かざらぬ反応でしかなかったのかもしれません。
ですが、柔らかな心が「ここでないどこかへ旅立っていくこと」をとらえた瞬間であったようにもみえました。
絵本は、小さき人々だけのものではありません。
激しく揺れるこんな世界だからこそ、大きくなった私たちが、思うままに絵本を手にとってみる。
それはけっこう、素敵な体験を連れてきてくれるかもしれません。
秋の夜長に向けて、「心ひかれる絵本」との邂逅で、よろしければ、あなたの心を癒してください。
「なんかオススメない?」ってご相談も、絵本マニアの姉が、大喜びでお受けいたします!